去年秋、ひとつもり氏により、おとボクのスクリプトをNScripterに変換するコンバータが開発された。
PSPで動作させている人が多いが、NScripterのスクリプトに移植されたと言うことは何を意味するだろうか?
NScripterのスクリプトが動くゲームエンジン、NScripterはもちろん、ONScripterなど、NScripterが解
釈できるエンジンであれば殆どのもので動作が可能になった。ONScripterは実にいろいろなデバイス・OS用に移植されているので、ハードウェアの
必要スペックさえあればこれらでおとボクが楽しめるというわけだだだ~。
今まではおとボクを他の機種で動作させるには、SEVEN.NETが用いられていた。SEVEN.NETは再現性が非常に高く、ムービーの再生から
セーブデータのサムネイル画像まで見事に再現されていた。Nscripterへのコンバータの登場により、これで他機種でおとボクを動かすエンジンが2種
類となったわけだが、それぞれ一長一短ある。
SEVEN.NET
・再現性が高い
SEVEN.NETの特徴である再現性。先ほど述べたセーブ・ロードインターフェイスから、おまけシナリオや、やるきばこのシナリオもプレイできる。
・データ変換がしやすい。
SEVEN.NETでは、ゲーム毎に専用のコンバーターが付属しており、シナリオの吸い出しだけではなく画像・音声データの吸い出し、アーカイブまでしてくれる。ファイル操作が苦手な人にはありがたい機能だ。
・ムービーが比較的簡単に再生可能
たとえばPocketPCではTCPMPを用意することによりムービーが再生可能である。
・重い
SEVEN.NETの実体はエンジンと言うより翻訳しながら動作するというものであるためか、NScripterより動作が重く、メモリの消費量も多い。
PocketPCでVGA動作させるには少なくとも400MHz以上のCPUが欲しいところ
(逆にVGA機種で400MHz未満のCPU搭載機種なんてほとんど無いが)
雪や桜の花びらのエフェクトなどは非常に重くなる。
それでもおとボク本来のエンジンより遙かに軽かったりしますが^^;
・Linux Zaurus環境下での導入のしにくさ
Windowsなら.NET
Framework、PocketPCなら.NET Compact
Frameworkやフォントを導入すれば良いが、Linuxなどの場合は多くのライブラリを要する。多くのライブラリを要求するのは
ONScripterも同様だが、1つ1つ用意する必要がある。
NScripter/ONScripter
・対応機種が非常に多い
これはONScripter最大の特徴である。ONScripterのページによると、
Windows, Linux, Mac OS X, Mac OS
9,Zaurus(SL-5500,SL-A300,SL-B500,SL-C700), FreeBSD, Solaris(on
SPARC), Tru64 UNIX, PSP, OS/2Warp, iPod, iPhone, PocketPC,
Playstation3, Android, GP2X, Dreamcast
という非常に多くの機種で動作確認されており、こ
の中の多くの機種でおとボクが動作する可能性がある。メモリ容量は大体32MBくらいあると足りる(メモリ32MBのLinux
Zaurusではswap必須)、CPU200MHz
空きメモリ32MBもあれば、大概の機種で動く可能性があると考えられる。Dreamcastはメモリ16MBなうえ、開発停止状態であるのできついと思
うw
・再現性が低い
この原因は元々のスクリプトとNScripterのスクリプトの仕様の違いが大きい。こ
れは変換する以上避けられない事なので仕方がない。それでもさすが今までに数々のコンバーターを作成してきたひとつもり氏なだけのことはあり、コンバー
ターの中では非常に再現性は高い物となっている。
キラキラエフェクトのときに暗くなる(レイヤを半透明で使っているため)、セーブ・ロードのインターフェイスがNScripterオリジナルのものになっているとか程度。
・(殆どの環境において)ムービーが再生できない
これは機種にもよるが、その機種用にavifileが提供されていないとその機種ではムービーは再生できない。特にPSP。H.264が再生できるようになればかなりいいのだがw
元々対応機種が非常に多いので、ただ単にその中にムービー再生不可な機種が多いだけとも取れる。
・軽い
処理にもよるが、それぞれの機種用のONScripterエンジンのデキが良い。(多分?)
スクロールなどハードウェアでできることはハードウェアにまかせて処理できるため、場合によってはおとボク製品版をPCで動かすよりも遙かに軽い処理もある(「画面全体が揺れる」など)
エ
ンジンのデキの例として、おとボクコンバーターは無いがビジュアルアーツ系のAVG32というゲームエンジンが有志によりLinux
Zaurusに移植されているが、Zaurus用AVG32とZaurus用ONScripterの描画速度は一目で分かるほどかなり大きな差があ
る。(ぶっちゃけ、AVG32を動かしたZaurusを「性能の限界」とみていたが、後日NScripterを軽々と動かしており非常に驚いた)
・Linux Zaurus環境下での導入のしやすさ
Linux
Zaurus環境用に、本体のipkパッケージと、多くのライブラリを1つにまとめたipkパッケージが用意されている。ユーザーはその2つをLinux
Zaurus標準のインストーラーで本体にインストールし、あとはメモリーカードの/nscr下にスクリプトとデータとフォントを用意するのみである。
他のソフトのライブラリとバッティングする可能性があるという欠点もあるが、ファイルを意識せずにインストールできるのは非常に楽である。
インストールすると、Qtopiaメニューの「ゲーム」タブの中にONScripterのショートカット(SD/CFカード、解像度別に全て)が登録されるコダワリ様である。
余談までに、SEVEN.NETでは「おまけ」は動作しない。
ONScripterはまだそこまで達していないので不明^^;
というわけで、早速Linux ZaurusでONScripterを使いおとボクを動作させてみる実験。
メモカが1GBのSDカードしかなかったので、とりあえずコレに収まる範囲で。
画像の変換には時間がかかるので、寝る時刻も迫っていたし、とりあえずPSP用に変換したアーカイブを用意した。PSP用に変換したものは解像度が横360ドット向けになっているので、取り敢えずQVGAモードで起動させる。
音声・画像データとスクリプト、フォントデータを入れたところでカードがいっぱいになってしまったので、この状態で起動させてみた。
解像度の違いもあり、メニューなどがいくらかズレるがちゃんと動作した。文字に対して音声がいくらか遅れるが、キレイに再生されている。
メニューを出す方法がなかなかわからなかったが、「×Cancel」キーでいいらしいw
明日は時間があったら音声圧縮してVGA起動できるかな・・・ZZzzz...
3/13 10:00 見やすい様に更新&追記
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